お知らせ
2022.09.01
置賜支部8月例会「新規性5%をめざして見えてきた可能性 ~共創による市場創造~」
8月22日、アクティー米沢にて置賜支部8月例会が開かれ、会場とオンラインで30名が参加しました。
▼報告中の会場
報告者は生花販売業の㈱花泉 代表取締役 大泉拓也氏(寒河江支部)。冒頭、大泉氏は農林水産省等の一般公開のデータから、個人店が減り法人の店舗が売上を伸ばす二極化が進み、加えてコロナの影響で冠婚葬祭の仕事が無くなり、業界は厳しい現状にあることを説明。
そのような中、大泉氏は自社の強みを高い技術に裏打ちされたデザイン力・企画力とし、営業力を持った同業他社や、生産力のある農家との協力を開始。コロナ禍で伸びた個人消費をターゲットに、新しい花の買い方、楽しみ方を提案していきます。花のサブスクリプションは、定額で毎日花を受け取ることができます。定額のため大きな売上にはなりませんが、今まであまり花を買っていなかった層に花が飾ってあることが当たり前になってもらいたいという想いがあり、現在では100人ほどの利用者がいます。自宅でバラ風呂ができる商品である『LoveRo』は飾るのみにとどまらない花の楽しみ方を顧客に提案しており、自社のデザイン力を活かしています。
他にも新たな取り組みとして、スーパーへの出店を行っています。大泉氏はロードサイドで販売している本店とは違った客層に触れ、花を買いたいが時間がないのでスーパーでついで買いする層がいることに気付きました。そこで、ギフト需要にこたえられる高品質のものをスーパーの花屋で販売することを目指しています。更に幼稚園での花育事業にも取り組んでおり、幼稚園児が自分で選び作ったアレンジを母の日にプレゼントする、といった体験を行っています。この事業は子どもたちに花のことを知ってもらうだけではなく「花は想いを伝える媒体である」ことを社員に学んでもらうためのものでもあります。
本業は花屋である、ということを軸として5%の新規性をめざしてきた大泉氏。多くの人を巻き込んだ新たな取り組みは、自社の売上だけではなく、人と花とのかかわり方そのものを変え始めています。
▼グループ討論
最後に、本多座長がまとめとして「大泉氏は、分析する中でマイナス面も素直に受け入れている。その上で問題点を細かく分けているので、やるべきことが明確になっている。分析力、行動力、仲間をつくる力。この三つの力を持った経営者だと感じた」と語り、業界の変化を捉え、新たな取り組みによる市場づくりを考える例会となりました。