お知らせ
2022.10.06
置賜支部9月例会「今、求められる「企業の持続可能性」 ~共育ちで信頼と技術をつなぐ~」
9月28日、アクティー米沢にて置賜支部9月例会が開かれ、会場とオンラインで17名が参加しました。
報告者はアルミ鋳造、鋳物用中子製造をしている(有)笹木製作所 代表取締役 笹木浩二氏(山形支部)。起業した当時、シェル中子製造の仕事は下請けで受注していたため、単価が安く、とにかく忙しくしなければ成り立たないような状況でした。自分ひとりで考え、社員に言うことをきかせようと命令した結果、誰もついてこない。そんな中で、同友会に出会いました。
▲報告する笹木氏
経営指針をつくる会に参加し、笹木氏は「私自身の考え方を変える」「経営理念を実践し、社員さんが入って良かったと思える会社にする」と覚悟を決め行動を起こします。社員共育委員会にも参加し、読書会で感想を語り合うという取り組みや、朝礼前にコーヒータイムを設けるなど、社員の話を聞く機会をつくりました。また、繰り返し経営理念を伝え、何のために働くのかを意識してもらえるよう社員に語り続けています。結果、現在では新入社員をじっくり育てていくための環境が出来ています。
鋳物を扱う会社は、仕事が海外に流れていくことで次々倒産してきました。結果、高い鋳物の技術を持つ企業が不足しているのが現状です。笹木製作所にも関東の企業から注文が来るなど、社員との信頼関係を土台として育ててきたアルミ鋳造の高い技術が現在の仕事に繋がっています。そんな中、外部の支援機関から指導を受けた際「紹介だけで仕事が来るのなら、もっと自社の技術に自信をもって値上げしてもよいのでは」という指摘を受けます。そこから笹木氏は客層を単価の高いメーカーに入れ替え、「今の単価では技術を保持できず、会社を続けられない」という話をして値上げに踏み切ります。現在、大手メーカーは安さよりも、長く取引できるかどうかを重視しています。工場に訪問をして、後継者や若手の従業員がいるかを確認するメーカーは多く、会社を続けるための値上げは受け入れられています。
▲グループ討論のようす
最後に笹木氏は「問題の本質を考え、それを変えられるかを考える。そして、コツコツ目標に向かって取り組んでいく。そうすれば成果が得られる」と語り、長く続く企業づくりや社員とのかかわりについて考える例会となりました。